UTAU用音源「うたどら」解説

UTAU用音源「うたどら」は、一般的な人間の声が出る音源とはちがい、
音程のない打楽器っぽい音が出る音源です。
そのため、一般的な音源とは異なる点をここで解説します。
似たような音源を作りたい人向け解説かも。


PrefixMapとエイリアス

MIDIのドラムパートは、音程ごとに別の楽器を割り振ってあります。
そのため、MIDIで打ち込んだドラムを読み込んでほぼそのままで使えるように、
原音設定のエイリアスで音階を指定し、
PrefixMapで音階に対応した音が勝手に出るように設定しました。

UTAUは指定された音程を出すツールなので、
ノートを置いただけだと原音を加工した音が出ますが、
打楽器の音だと音程に合わせた加工は不要なので、
プロパティの『Others...』欄に『$direct=True』と入力して
加工なしの原音そのままの音が出るようにするといいと思います。


原音設定

打楽器の音は、音の鳴り始めだけが決まっていて、
音の長さが楽譜で指定されることはほとんどありません。
そのため、打ち込んだノートの長さによって音がひっぱり伸ばされることがないように、
子音部を非常に長く取ってあります。(図1の@)

また、残響が長く残るタイプの楽器の音を短いノートで打ち込んだ時に
音の終わりまでちゃんと鳴るように、
オーバーラップは音の一番最後のところにしてあります。(図1のA)

オーバーラップを長くすることで、
ノートの長さが図2の【A】の分しかなくても、
オーバーラップで指定された時間だけ次のノートに食い込んで(図2の【B】)
音が鳴り続けます。

休符直前の音や、一番最後の音はタイミングがずれることが多いですが、(UTAUのバージョンによって違う?)
・最後に『ん』という歌詞の入ったノートを付け足す
・休符と休符直前の音を同時選択→Ctrl+Uで結合 or 休符に『ん』という歌詞を入れる
で直ります。
『ん』の原音は、無音のWAVファイルなので、
音の出るノートと同じ動きをさせつつ休符の代わりに使えます。


音の正体

うたどらの原音は、一部を除き本物の楽器ではなく、音源作者の家にあるいろんなものを叩いたりした音なので、
元が何の音なのかを表にまとめました。
原型をとどめないほど加工した物がほとんどです。

原音ファイル名 元の音・新音源(大幅加工しているもの多数) 元の音・初版音源(大幅加工しているもの多数)
27_High_Q.wav ※初版音源と同じ 調理用バット2枚を打ち合わせる+毛糸袋にデコピン
28_Slap.wav ※初版音源と同じ 調理用バット2枚を打ち合わせる
29_Scratch_Push.wav ※初版音源と同じ 調理用バット2枚を打ち合わせる
30_Scratch_Pull.wav ※初版音源と同じ 調理用バット2枚を打ち合わせる
31_Sticks.wav ※初版音源と同じ 編み物用の棒針(10mm)2本を打ち合わせる
32_Square_Click.wav 初版音源をさらに加工 ホワイトノイズ
33_Metronome_Click.wav ※初版音源と同じ 手鏡の裏側を鉛筆で叩く
34_Metronome_Bell.wav ※初版音源と同じ 目覚まし時計の頭についてる丸いやつをロケット鉛筆で叩く
35_Kick_Drum_2.wav バスドラ(本物) 毛糸袋にデコピン
36_Kick_Drum_1.wav バスドラ(本物) 毛糸袋にデコピン
37_Side_Stick.wav ※初版音源と同じ 手鏡の持ち手を鉛筆で叩く
38_Snare_Drum_1.wav スネアドラム(本物) 色鉛筆の缶を手で叩く
39_Hand_Clap.wav ※初版音源と同じ 手拍子
40_Snare_Drum_2.wav スネアドラム(本物) 色鉛筆の缶を手で叩く
41_Low_Tom_2.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
42_Closed_Hi-hat.wav ハイハット(本物) ゴミバケツの蓋を閉める
43_Low_Tom_1.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
44_Pedal_Hi-hat.wav ハイハット(本物) ゴミバケツの蓋を斜めにして鉛筆で叩く
45_Mid_Tom_2.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
46_Open_Hi-hat.wav ハイハット(本物) ハロゲンヒーターを手で叩く
47_Mid_Tom_1.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
48_High_Tom_2.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
49_Crash_Cymbal_1.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる
50_High_Tom_1.wav タム(本物) プラスチック製の皿を手で叩く
51_Ride_Cymbal_1.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる+鍋蓋をロケット鉛筆で叩く
52_Chinese_Cymbal.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる
53_Ride_Bell.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる+鍋蓋をロケット鉛筆で叩く
54_Tambourine.wav ※初版音源と同じ 財布にデコピン+100円玉を2枚重ねて手のひらに落とす
55_Splash_Cymbal.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる
56_Cowbell.wav ※初版音源と同じ アルミ鍋を鍋蓋で叩く
57_Crash_Cymbal_2.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる
58_Vibra-slap.wav ※初版音源と同じ メジャーを引き出す
59_Ride_Cymbal_2.wav シンバル(本物) 調理用バット2枚を打ち合わせる+鍋蓋をロケット鉛筆で叩く
60_High_Bongo.wav ※初版音源と同じ クローゼットの扉を手で叩く
61_Low_Bongo.wav ※初版音源と同じ クローゼットの扉を手で叩く
62_Mute_High_Conga.wav ※初版音源と同じ 自室の扉を手で叩く
63_Open_High_Conga.wav ※初版音源と同じ 自室の扉を手で叩く
64_Low_Conga.wav ※初版音源と同じ 自室の扉を手で叩く
65_High_Timbale.wav ※初版音源と同じ プラスチック製の皿を手で叩く
66_Low_Timbale.wav ※初版音源と同じ プラスチック製の皿を手で叩く
67_High_Agogo.wav ※初版音源と同じ ブックエンドを鉛筆で叩く
68_Low_Agogo.wav ※初版音源と同じ ブックエンドを鉛筆で叩く
69_Cabasa.wav ※初版音源と同じ ビニール袋を触ってシャリっていわす
70_Maracas.wav ※初版音源と同じ ビニール袋を触ってシャリっていわす
71_Short_Hi_Whistle.wav ※初版音源と同じ ホイッスル
72_Long_Low_Whistle.wav ※初版音源と同じ ホイッスル
73_Short_Guiro.wav ※初版音源と同じ 櫛を鉛筆でカラカラやる
74_Long_Guiro.wav ※初版音源と同じ 櫛を鉛筆でカラカラやる
75_Claves.wav ※初版音源と同じ 備長炭2個を打ち合わせる
76_High_Wood_Block.wav ※初版音源と同じ プラスチック製コップを手で叩く
77_Low_Wood_Block.wav ※初版音源と同じ プラスチック製コップを手で叩く
78_Mute_Cuica.wav クッキーの空き缶+ビニール紐+濡れティッシュ 紙コップの底に糸を付けて糸の部分を濡れティッシュでこする
79_Open_Cuica.wav クッキーの空き缶+ビニール紐+濡れティッシュ 紙コップの底に糸を付けて糸の部分を濡れティッシュでこする
80_Mute_Triangle.wav ※初版音源と同じ 銅鐸
81_Open_Triangle.wav ※初版音源と同じ 銅鐸
82_Shaker.wav ※初版音源と同じ ビニール袋を触ってシャリっていわす
83_Jingle_Bell.wav ※初版音源と同じ 多分富士山5合目で買った鈴
84_Bell_Tree.wav ※初版音源と同じ 銅鐸
85_Castanets.wav ※初版音源と同じ マニキュア瓶を鉛筆で叩く
86_Mute_Surdo.wav ※初版音源と同じ プラスチック製の皿を手で叩く
87_Open_Surdo.wav ※初版音源と同じ プラスチック製の皿を手で叩く


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